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「月の真昼間(まぴろーま)」 2008年4月17日(木)〜27日(日) 俳優座劇場
― ものがたり ― はるか南に浮かぶ小さな島―八重山諸島・鳩間島。 沖縄の日本復帰から十年が経った一九八二年、島で唯一の公共機関である 小学校が廃校の危機に瀕していた。それは同時に廃村の危機でもあった。
―子供がほしい。子どもが必要だ―
可笑しくも切ない、そして涙ぐましい、住民たちの奮闘が始まった! 『若夏に還らず』の原作「最後の学徒兵―BC級死刑囚・田口泰正の悲劇」の森口豁氏が 鳩間島に取材した「子乞い」は、コミックやTVドラマの元にもなった魅力的なノンフィクションです。 これを『眼のある風景』で芸術家たちの骨太のドラマを紡いだ杉浦久幸氏が脚本化、 そして全国公演展開中の『天国までの百マイル』をはじめ『笑う招き猫』や『三つの宝』で文化座でもお馴染み、 原田一樹氏の演出でお送りします。 まばゆい自然に包まれながら孤島の悲哀を抱える人々の人間臭いドラマにご期待下さい。 それは私たちの忘れてしまった人間の本来の姿なのかも知れません。
●20日が満席となりました。ありがとうございました。 ●21日が満席となりました。ありがとうございました。 ※開場は開演の30分前です ○料金(全席指定/税込) ※Uシート、高校生以下は劇団でのみ取扱い 一般 5,500円 Uシート 3,850円 高校生以下 2,750円 友の会員 3,850円 友の会同伴 4,950円 ○好評発売中!
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『月の真昼間』への期待 森口 豁 八重山・鳩間島の小中学校が「廃校の危機」に見舞われていると聞いて訪ねたのは、沖縄の日本復帰間もない一九七四年の春であった。 行ってみると、すでに中学校は廃校が決まり、小学校の生徒はこの年入学の男の子一人きりだという。 その十年前に訪ねたときは人口約五百人、小中学校の生徒が百二十人もいて、島は生気に満ちていたのに…。
事実、日本が空前の経済成長をとげた七〇年代に入っても、この島には電気も水道もなく、 人々の暮らしは雨水と深い井戸の底をさらうようにして汲み上げる井戸水が頼りであったのだ。 《日本に復帰したら、私たちの島にも「政治の光」を当ててもらえるのではないか》 だれもがそう願ったが、実際に彼らが目の当たりにしたのは、人口の減少による「廃校の危機」。 そんなどん底からの再生に人々はかけた。学校がなくなったら島は行政からも忘れられてしまう、と。
自治会長が沖縄本島の養護施設へ「子乞い」に出かけたのもこの頃だった。 《いったい日本復帰とは何だったのか》 島の歳月は、いまもこんな自問自答を繰り返しながらの行きつ戻りつだ。近年は他府県からの転入生が後を絶たず、小中学校の生徒数は常時十人を超えるまでになった。 多くはいじめや家庭不和などが原因で学校嫌いになったり、学校から排除され行き場をなくした子供たちだ。 子供が欲しい島と、学ぶ場が必要な子供たち。つまり鳩間島の現在は、国の目配りからこぼれ落ちた弱い立場の者同士で成り立っているのである。 島をめぐる状況は基本的には変わってはいないということだ。 八重山の古謡「月の真昼間節」はこう謳う。 潮ぬ満干や 月からどぅ定みょうる 島ぬ有卦無卦や 原ぬ主から 潮の満干が月の位置によって定められる(ように)、島がよくなるのもならないのも、それは政治次第なのだ――。 八重山諸島の人々が数百年来、まともな政治の施しを受けてこなかった何よりの証しだろう。 それにしても鳩間島の艱難辛苦を見つめ続けてつくづく思うのは、この島の人たちのねばり腰の見事さだ。 土俵の隅まで追い詰められながら、渾身の力で踏み止どまり、うっちゃる。 この「元気」がいったいどこから湧いてくるのか、にわかには断定しがたいが、文化座の創り上げる舞台『月の真昼間』がきっとそれを解き明かしてくれるだろう。 楽しみな舞台である。 |
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| 杉浦久幸(脚本)
最初、原作にあった「共生共死」、共に生き共に死ぬという言葉に一番ひっかかっていて。 僕らの考える共同体というものがあって、そこで人間が人間同士つながりながら生きていく中で、 僕らとは全く違う生活をしている人たちがいる、僕らの価値観とは違うところで生きている人たちが居るであろうと。 それがこの鳩間島という共同体・コミューン・集団なのだという風に考えて、今回の芝居を創ろうと思いました。 僕らの生活とはまた違うリズムで生きている人たちの話を、僕たちとの対比という形ではなく、 どういう風に僕らがそれをどう捉えていくのかということがお芝居になればいいかなと思って書きました。(談) |
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| 原田一樹(演出)
昨年九月に鳩間島へ行って、至福の時を過ごさせていただいた思い出を今、反芻しています。 海もキレイで、非常に良い思いをさせていただいたのが、これからジワジワとプレッシャーになっていくのだろうなと思っているところです。 また、その時初めてご一緒させていただいた原作者の森口豁さんが非常に魅力的な人で。文化座では久し振りの新作なので楽しみです。 演出家にとっては今の時期が一番楽しいんですが、作家は地獄をそろそろ見始める頃でしょう。(笑) 楽しみながらやっていければと思います。 というか、余裕をもってやらないといけない、カリカリしてできる芝居ではないと思います。「なんくるないさァ」でいきたいな。(談) |
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