時は明治14(1881)年、商人や船乗りが往き来し活気溢れる小樽の町なかに、煮売り、代書、髪結、俥などを商う小さな店「きし屋」があった。

そこに肩寄せ合って生きているのは、年齢もバラバラ、と言って家族でもない、いわくありげな三人の女とその仲間達だった。彼女たちはなぜ結びつき、ここ北の果て小樽にたどり着いたのか? そしてやくざから立ち退きを迫られている「きし屋」の運命は?


明治維新そして文明開化。

価値観が大きく変動する時代であった。旗本の嫁でありながら没落し、芸者となった一人の女がいた。その女を妾とした薩摩出身の官吏とその妻。女を助ける主人思いの女中。そして女を思慕し見守りつづける俥曳きや謎の混血娘……。

様々な人生が激動のなか流転する。

その運命に流される者もいれば、立ち向かい、抗い、力強く生きようとする者もいる。


江戸の名残をとどめる文明開化の東京と、開拓まもない北海道は小樽で、愛憎と人情に満ちた悲喜劇が繰り広げられる。

 
 
   
     
 
       

原作 蜂谷 涼 / Ryou Hachiya

作家 小樽市生まれ。

1990年『銀の針』で第11回読売ヒューマン・ドキュメンタリー大賞カネボウスペシャル佳作受賞。小説では、1994年『分別回収』で文學界新人賞最終候補、1996年『煌浪の岸』で小説新潮長編新人賞最終候補となる。

著書に『てけれっつのぱ』『海明け』『蛍火』『ちぎり屋』『煙波』『小樽ビヤホール』『雪えくぼ』『へび女房』などがある。

地元北海道を中心に、テレビ・ラジオ出演、執筆、講演活動を行う。平成20年度より「小樽ふれあい観光大使」を務めている。

       
脚本 瀬戸口 郁 / Kaoru Setoguchi

俳優・脚本家。文学座所属。『寒花』(第5回読売演劇賞優秀作品賞)『ザ・クライシス』(脚本及び構成)『モンテ・クリスト伯』等、文学座の舞台を中心に活躍。他に『ウィット』(パルコ)『レディ・ゾロ』(松竹)『真実のゆくえ』(俳優座プロデュース)タイトルロールの西田幾太郎役を演じた『おーい幾太郎』等。脚本には五大路子詠み芝居『エゲリア』『走る女』『ある剣劇女優の物語』、新潟市政令都市記念ミュージカル『明和義人』等がある。

文化座では『てけれっつのぱ』の脚本、書き下ろし作品『王子の狐 かぎをくはえて』がある。

早稲田大学、東京藝術大学非常勤講師。

       
演出 西川 信廣 / Nobuhiro Nisikawa

演出家。東京生まれ。文学座所属。

1986年から1年間、文化庁の在外研修員として渡英。帰国後、文学座の他、各種プロデュース公演から商業劇場公演まで幅広く演出を手掛ける。主な作品に『寒花』『オナー』(文学座アトリエ)『野望と夏草』(新国立劇場)『ウィット』(パルコ劇場)『マイ・フェア・レディー』(東宝)等。『マイ・チルドレン・マイ・アフリカ』で第27回紀伊國屋演劇賞、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。他、読売演劇大賞等受賞多数。

文化座では『眼のある風景』『てけれっつのぱ』『王子の狐 かぎをくはえて』の演出を手掛ける。

       
 
美術 朝倉 摂 / Setsu Asakura
       
 
照明 桜井 真澄 / Masumi Sakurai
       
 
音響 斎藤 美佐男 / Misao Saito
       
 
衣裳 中村 洋一 / Youichi Nakamura
       
 
舞台監督 森 正夫 / Masao Mori
       
 
演出助手 米山 実 / Minoru Yoneyama
       
 
制作 中山 博美 / Hiromi Nakayama